2011年 04月 06日 ( 1 )

オランダ・フランス旅行回想録~ジャズ

さてジャズ好きの私、この旅行でもライヴこそ観なかったもののジャズについてとてもラッキーなことがありました。まあできればライヴも観たかったですが。旅行に出る前はアムステルダムでジャム・セッションに参加できる店もチェックして、あわよくばアムステルダムでピアノも弾いてこようか、とさえ思っていました。

まあそれはそれで諸処の事情により叶わなかった訳ですが、実はオランダ、ジャズが盛んなことで知る人ぞ知る有名な場所。ロッテルダムやデン・ハーグでは毎年のように大きなジャズ・フェスティヴァルがやってて、ハービー・ハンコックやらエリカ・バドゥやら或いはご当地プレイヤーのキャンディ・ダルファーやら有名ジャズ・プレイヤーが当たり前のように出ています。キャンディ・ダルファーはもともと個人的にはピンク・フロイドのネブワースにおけるライヴで吹いていたのを13,4歳の頃見たのが初めて。「サックスってなんてカッコイイんだ!」「しかもすんげー美人!」「カッコイイ!!!」と衝撃を受けたのを覚えています。あの頃彼女は色んなところで吹いていて、デイヴ・スチュアートのライヴでも吹いていたのを見たし、最近彼女はプリンスのとこでも吹いていたなんて話も聴きます。“ジャズじゃないじゃん!”という声も聴こえますが、彼女もサックスを学ぶ課程で例えばベン・ウェブスターみたいなオールド・ジャズを聴いていた、って言うのを当時インタヴューでも答えていたのを覚えています。
実際オランダはジャズが盛んで、キャンディ・ダルファーだけじゃなく、例えばギターのジェシ・ファン・ルーラーなどの新鋭も現代においても生み出しています。人に聞いた話だと、オランダでのジャズは、日本のそれに似ていて、ハード・バップ、ビ・バップを基本とした、強いて言えば“シブい”ものがメインの潮流だといいます。私の大学のジャズ研の後輩でイタリアにサックス持って留学した男がオランダに活動の拠点を移した、という話も聞きましたが、そんなオランダのジャズの潮流も影響してるのかな、と想像したりしました。50年代、60年代のようなジャズをやるなら案外オランダはいい場所なのかもしれないですね。

で、CD!!!
やりました、海外CD屋でCDあさり。
まずはアムステルダムのダム広場からスパイ広場の方角へ行く通りを少し入ったところにあるCD屋、FAMEさん。
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いやすごかった。
ほとばしりました。
何がって品数の良さ。東京なんて目ではありません。マイルスやコルトレーンみたいな人たちのがご丁寧に2,3列分位あるのはまあエライとして、驚いたのは日本ではまず棚そのものがないアーマッド・ジャマルやエロール・ガーナーみたいな人たちの棚もしっかりあって品揃えもかなりいいこと。エロール・ガーナーのソロ・ピアノ・アルバムなんて日本じゃCD屋はもちろん、アマゾンでも見当たらないけどそんなものが置いてて、もうテンション上がってしまいました。このエロール・ガーナーのソロ・ピアノ・アルバムは以降現在に到るまで最もヘヴィー・ローテーション。サイコーの買い物をしました。
いやー、文化なんですかね~。でもいい、最高の文化ですよ。アーマッド・ジャマルやエロール・ガーナーを手軽に聴く文化。逆になんで日本人はここら辺に手をつけず、ハード・バップみたいな面白いんだか退屈なんだかわからないのに我慢して聴く、みたいな方向に走りがちなんでしょうかねえ・・・。(と言いながらもちろん私のCD棚も多くがその手の面白いんだか退屈なんだかわからないハード・バップが多いですが)
でもエロール・ガーナーやアーマッド・ジャマルみたいな音楽はアムステルダムやパリみたいな街にいながら、これはこの土地によく馴染む音楽だなあ、とも思いました。東京は・・・、なんか、・・・あんまり似合わないなあ、ガーナーもジャマルも。ガーナーやジャマルが綺麗に映えるほど大らかな街ではないなあ、・・・という気が・・・、違ってたらごめんなさい。
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パリでもやりました。CDあさり。
ほとばしりました。
場所はセーヌ川を背にしてサン・ミッシェル通りを下ること数分、右手にあるGIBERT JOSEPHさん。
ここでもエロール・ガーナーやアーマッド・ジャマルは素晴らしく置いていましたが、特筆すべきはアート・テイタムのソロ・ピアノ・アルバムが置いていたこと。
アート・テイタムはジャズ界において少なくとも技術的には最も優れたピアニストとして全てのピアニストの羨望を受ける巨人ですが、何故か、日本にはテイタムのアルバム、というか棚がない。あったとしてもそれはあのベン・ウェブスターを迎えての名盤が1枚あるだけ、という状況。それがここパリではテイタムのアルバムがこれでもか、と沢山並んでいる。いわばこのジャズ・ピアニストの旧約聖書とも言えるテイタムのソロ・ピアノ・アルバムを買って、ご満悦。最初はあまりにもテイタムの巧さにばかり耳が行き過ぎてあまりターン・テーブルに乗らなかったのだけれど、だんだん慣れてきて普通にテイタムのピアノが気持ちいい、心地良くなってきて、普通にBGMとしてこちらもかなり聴くようになってきました。

このテイタムのソロ・アルバムについては思い出があって、学生時代、ジャズ研の先輩で現在オルケスタ・デ・ラ・ルスを初め、あらゆる日本のトップ・キューバ音楽ユニットに参加している斎藤タカヤさんが、パリでテイタムのCDをゲットした!ということで部室で聴いていたんだけど、それはテイタムのソロ・マスターピースの確かvol.2(?とにかくall the things you areが入っているヤツ)で、何でもパリでようやく見つけた、と話していたのを覚えている。かくして私もそれから10年以上後、パリで今度はソロ・マスターピースのvol.1をゲットしたというわけだ。もちろん、日本ではアマゾンでもこのシリーズは手に入らない。超貴重だ。

先日そのタカヤさんのピアノ・トリオでのライヴが千歳烏山であって喜び勇んで観に行ったのだけれど、タカヤさん、私のような昔の後輩ともフレンドリーに接してくれて、色々話してくれました。エロール・ガーナーにそんなわけでハマッテいる、というとタカヤさんも“エロール・ガーナーいいよね!!!”とツーカー。さらに当然このパリでしか手に入らないテイタムのCDのことも話して、やはり現地に行かないとCDは手に入らないこと、及びタカヤさんの持っているvol.2と私の持っているvol.1を借り合うことなどを話して、非常にある意味時空ともにスケールがでかい、とも言える話をしたりしました。
斎藤タカヤ・トリオ@J-MOOD on 1st Aprilについてはとにかくしびれました。もともと別次元のピアニストだったけど、いったいどこまで行くのだろう。私も日々努力してるし、元岡一英師匠のレッスンも1年半近く受けて少しは前よりは良くなった、・・・ような気がするが、タカヤさんと私が出会ったころタカヤさんが100で私が1として、今はそれが私が10でタカヤさんは100000になった感じだ。
ま。
何が何であれ、私は私の音楽をうまくピアノで表現できるようになればいいわけであって、もちろんそのための努力は惜しまないのであって、モーチヴェーションが下がる、とかいうことは全くありませんし、しかもタカヤさんの音楽に感動する気持ちが変わることも全くありません。だって私、叫んでましたよ、タカヤさんのライヴで。“YEAH!”じゃなくてもう“ギャーーーーーー!!!!!”ってくらい。いやホント、サイコーの、凄まじく素晴らしいライヴでした。

アーマッド・ジャマル、エロール・ガーナー、アート・テイタム。
素晴らしい音楽。
私がオランダとフランスで手に入れた音楽。
オランダでもフランスでもライヴには行かなかったけれど、その素晴らしいヨーロッパのジャズのエッセンスは存分に吸収してきました。
まだまだしばらくはこの旋風は続きそうです・・・。
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オマケ。J-MOODのトイレの前に貼ってあった紙。
タカヤさんも昨今の色々を込めてライヴの最後にジョン・レノンの“love”を大切そうに弾いていたな。
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by kento_ogiwara | 2011-04-06 21:27 | BLOG;その他 | Comments(0)