クリスマスが終わる。
私にとってのクリスマスの思い出はジョン・レノンの“Happy Xmas”、子どもの頃、クリスマスのテレビはどの番組も最後はジョン・レノンだった。
“War Is Over, If You Want It.”、
子供心にそれが平和を願う歌だとは気付いていなかった。
それよりもクリスマス独特のハッピーな雰囲気を最大限にかき立てられ、私はその音楽の響きが純粋に大好きだった。
今では殆ど聴かれなくなってしまった“Happy Xmas”、時代は変わったのか。
テレビでパレスチナを取材したキャスターが言っていた。
イスラエルとパレスチナは共存は出来ないのか?
現地の人に訊いて回った。そして全ての人が、「ありえない」と言い、ある人はそれが愚問だと言った。
キャスターが言うには、双方の間に積もった憎しみはそれほど深刻で、今日のクリスマスのベツレヘムにおける生誕祭で大司教が言った、
「暴力の連鎖を止める。」
は現実的な響きを持って来ないのだと。
もちろん誰もがそれを望んでいる、それでも出来ないのだ、と。
ジョン・レノンとオノ・ヨーコの、“War Is Over, If You Want It.”が支持されなくなってしまったのも、そんな世相を反映してるのだろうか。
久しぶりに“Happy Xmas”を聴いた。
子供の頃感じた、平和と幸福に満たされた思いはもう感じない。
世界が平和になっていくこと、世界中の人たちが幸せになっていくことを信じることが出来たあの頃は、まだ私は恵まれていたのだろうか。
昨今の子供たちはどうなのだろう?
この今の世界を見て、平和を信じることが出来るのだろうか?
出来ないのだとしたら、それはそういう世の中にしてしまった私たち大人の責任なのかなと思う。
でも私にしたって全てを諦めた訳ではない。
私は今でも平和を願っているし、そのために出来ることをしていきたい。
ジョン・レノンの“Happy Xmas”を貼っておく。
かつて感じた気持ちにはなれなかったとしても、子供たちのコーラスが美しい。
今年も勤め先の老人ホームのクリスマス会でピアノを弾かせてもらった。
コロナが5類感染症に位置づけられ、だいぶ規制も解かれて来た中で、今年は久しぶりに歌唱ありで良いとのお達しだった。
私は担当の介護職から心の込もった手紙を貰ってピアノ演奏・歌の伴奏をお願いされ、全面的に協力するつもりだった。
施設側としてもオールキャストで会に臨む様子で、司会・歌の盛り上げ役・プレゼント調達係・サンタクロース役・撮影係・歌詞を大きな模造紙に書くなどの準備係etc.、力の入りようがうかがわれた。
ところが当日、熱発者が何人か出た、ということで歌を歌ってのレクリエーションは取りやめになってしまった。
私はおじいちゃんおばあちゃんたちの歌を聴くのを楽しみにしていたからとても残念だった。
会が始まり、もともと予定されていたピアノ演奏3曲を終えると、司会の介護職の子が、
「これで最後の曲です。」
と言った。私は慌てて、
「歌の伴奏のつもりだった曲をピアノ演奏でやることも出来るよ!」
と伝えた。それならば、と続けて私はもともと歌の伴奏の予定だった「赤鼻のトナカイ」をピアノ独奏で弾いた。
すると何人かの方が歌っているのが聴こえた。私は演奏を終えると、
「なにやら歌も聴こえてきましたね!」
と笑顔で言った。
次の曲は「きよしこの夜」だった。
司会の介護職がつい、うっかり、気持ちが出てしまったのか、
「皆さん歌っていいです」
と言ってしまった。
「きよしこの夜」はおじいちゃんおばあちゃんたちの、さながら聖歌隊のような美しい声が響いた。
いつも思うがおじいちゃんおばあちゃんたちの歌心は凄い、気持ちの入り方がまた凄い、歌いたい気持ちが凄い。
「きよしこの夜」が終わって最後の「ジングルベル」になった。
介護職たち、すっかり心が動いて、一旦歌はなしと決めて奥にしまっていた歌詞の模造紙を出して来て、歌ってもらう気満々、私もおじいちゃんおばあちゃんたちに手拍子を要求。
そうして始めた「ジングルベル」は大団円になった。
みんな歌い、手を叩き、大盛り上がり。
楽しい曲だったが、楽し過ぎたのか、泣いてしまうおじいちゃんもいた。
素晴らしい時間だった。
ホントにいい会だった。
写真はクリスマス・イヴに家族と食べたローストチキン↓
イヴは残業が凄まじかったが家族が待っていてくれ、このひと欠けを切り分けてシェアした。
去年だったか、広島の平和祈念式典の子供代表で、ある子が、「平和って何?」と言って、彼女が考える平和について素敵な話をしてくれていた。
平和って何なのか、私も何かひとつ具体例を挙げるとするのなら、このホームでのクリスマス会の様子を話せると思う。
これが平和だと。
おじいちゃんおばあちゃんたちにも凄く喜ばれたし、私もこの会に参加するまで、たくさんの人に励まされたり、介護職の皆さん始め、たくさんの人たちが関わって、その結果のいい会だったと思うので、あるのはやっぱり感謝、ここに加わらせてくれて有り難う、の気持ちだ。
素晴らしい経験をしました。
クリスマス会の後は若手介護職たちと忘年会がてら軽く飲んだ。
20代の女性ベテラン介護職が、
「(同僚たちとは)相談もするし、言いたいことも言い合う。それでも関係は壊れない。仲は良い。」
と言っていて感銘を受ける。
分断され、硬直した世界を乗り越えるヒントは若い世代が持っているのだろうか、とか考える。
愛・リスペクト・信頼、それを彼らは天性に持っているのかな、とか。
足下を見ても高一になったばかりの姪っ子たちが正月はソウルで過ごすという。
このフットワークの軽さ。
ヒップホップダンスのレッスンを受けるとかなんとか・・。巷の嫌韓感情などどこ吹く風。
そんな、希望も見えた今年のクリスマス。
じんわり幸せを感じながら、アパートでひとり過ごしてます笑
クリスマスの夜に、夜更かしして、徒然なるままに書いてみました。
最後にもう終わってしまってることと思うけれど、皆さん、メリー・クリスマス。
平和で、穏やかで、愛情に溢れた休日をお過ごし下さい。
Merry Christmas And A Happy New Year !!!