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マンハッタンで泣いてこい

とはかつて大学のジャズ研の先輩が言っていたセリフですが。
マンハッタンとは阿佐ヶ谷にあるジャム・セッション小屋で、その先輩曰く、プロが営業の後遊びに来る店で滅茶苦茶巧い、そこに行って(ヘタクソなオマエは)泣いてこい、という主旨なのですが・・・。

泣いてきました。

正確に言うとマンハッタンはそんなコワイ店ではなくて今までにも5,6回遊びに行ってジャム・セッションを楽しんでいるオギワラくんなのですが・・・

昨日は違った。いつものように元師匠であるモトオカさんに会いにいきがてらマンハッタンに半年振り位に行ったオギワラくん、撃沈しました。

ピアノの椅子に座っていることがあんなに苦痛だったのは初めてかもしれない。
最後まで自分の居場所を見つけられず、心ここにあらずで終わった。
最近よく共演してくれる友人の素晴らしいテナー奏者であるいとーさんは前に一緒に飲んだときに、ここまできたら、あとはいかに(あらゆる状況においても)自分の色を出せるか、が重要なのであって、例えばマッコイ・タイナーみたいなモードの弾き方ができるできないなどは問題ではない、と言っていたが、それはまさにその通りで、結局昨夜は自分の色、自分の演奏が全くできずに終わってしまった。そういった意味でいとーさんの言っていたことを痛感した夜でもあった。

1曲目は素晴らしいギタリストであるタナカさんの選曲で“East of the sun, West of the moon”。人と一緒に弾くのは初めてだったので譜面を借りて見ながらやる。自分の知ってるこの曲と、譜面のコード進行が微妙に違って、「うーん、なんか違うなあ、これでいいのかなあ、」とか思って動揺している間にタナカさんのギター・ソロが終わってずっと中途半端なバッキングをしてしまってタナカさんにとてつもなく申し訳ない思いでいっぱいになったまま自分のソロ。むろん何を弾いたのかは覚えていない。とどのつまり何も弾いてなんかいなかったのだろう。

2曲目はラッパの方の選曲で“Joy Spring”。これも人と一緒に弾くのは初めてだったが、よく知ってる曲だし、2曲目だし少しは硬さがとれた、と思いきや、・・・弾けない。というか転調がめまぐるしくて、気が・・・抜けない。曲を壊さないで成立させるのだけで精一杯。自分が自由に歌うなんてムリ。終わってモトオカさんに「はあ、鍛えられますわ。」と愚痴る。

3曲目はオギワラくんの選曲でモンクの“Ruby, My Dear”。バップやハードバップはここ1年ほど全くやってなかったのは仕方がないが、モンクだけ、というかモンクばかり弾いていたオギワラくん、コレはいけるハズだった。でも演奏の最中に投げ出して椅子を立ってしまいたい、と思ったのは実はこの曲でであった。どうしてかわからない。トーンに敏感なオギワラくん、イントロを弾くも音の硬さがいやがおうにも気になる。気持ちよさを全く感じることができずにテーマに入り、途中でシフトペダルを踏んだりして対応に追われる。そんな中、ホストバンドのドラムやベースの方が素晴らしい演奏をしてる中、自分だけがブサイクな姿を公開処刑のようにさらしていることにも気がついてしまう。たまらなく不快、心は折れ、気持ちの乗らない指は全く回らずいつもやってるスケールさえ全く弾けず、ミストーンの山を築く。それがまた気を滅入らせるの悪循環。いつかのライヴで最悪の状況に入った時と同じような寒気を感じる。演奏してるのに意識が遠のくようだ。

4曲目は“ornithology”。いつも自分が弾いてるのと微妙に違った譜面上のコード進行に違和感を感じながら弾く。自分のソロは最低。もうどうしたらいいかわからない。何も出てこない。何か弾かなきゃ。そればかりでなけなしのフレーズのストックを無意味にコード進行の中に無理やりひたすら詰め込んでいく。もうこうなると、演奏している、とは言えない。

なんでこうなったのかわからない。
はっきり言えるのは、

天狗の鼻が折れた。

自分がこんなに無残なまでにヘタクソだったとは思わなかった。
分析不能。

まあこんなしょうもないことをわざわざブログにしたのは、それでも久々に自分のピアノのことを客観視することができたからである。
昨日はお客さんがピアノがオギワラくん1人、ギターがタナカさん1人、トランペットが1人いただけであとはホストバンドのプロだけだったから、必然的にプロの世界にひょいと紛れ込んでしまった、という状況で、それは実はマンハッタンに何度も来てるとは言え初めてのことだった。そんな中でようやくプロと自分における明確な格段の違いというものをマザマザと感じさせられることになったのだろう。そういった意味でいい経験になったかな、と思い、屈辱と共にこの現実を書き残しておこう、と思い、ペンをとったわけです。

ま、今はパワーレスですが、そのうちこの方面についても対処していきたいと思います。
その時はオギワラくん、頑張ってね!
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by kento_ogiwara | 2008-09-21 14:20 | BLOG;音楽について | Comments(0)
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