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ジャズピアニスト荻原健登のブログ

私の右手

昨日、モトオカ師匠との2回目のレッスン。

前の記事で書いた、理解した上で練習したいから訊いておきたい事、は全て訊いた。

結論からいうと、“just friends”のB♭は、そのまんまB♭6thのドロップ2が使用可能。曲のキーからE♭を半音上げてリディアンのEナチュラルにする必要なし。E♭を含むB♭6thのドロップ2でそのまんまイオニアンが使える。不思議なものだ。それ位6thのドロップ2には説得力があるということか。

アッパーストラクチャーにそんな種類はない、という意味も分かった。作り方も含め、教えてもらったので自分でこれから時間のある時に整理する。
アッパーストラクチャーとは1,7,3を含むコードの上に3声のトライアドを重ねること。
バドの“un poco loco”のようなものは例外。と言うかバドの天才によるもので、一般的に言われるアッパーストラクチャーは別物と考えた方が良さそうだ。

閑話休題、モトオカさんの、一音、を究極的なまでに追求する、大切にする、重要視する姿勢はホントに凄い。所属してた大学ジャズ研でテーマとコード譜だけ見て演奏して、それで演奏した気になってた自分の愚かさを恥じて恥じてしょうがない。少しはそういう悪乗りからは最近は距離を置いて音楽に接してたつもりだったが、まだまだ甘い。自分が恥ずかしい。

で、6thのドロップ2にハマって、しばらく、サウンド作り、に没頭したい、とりあえず、スケールライクで6thのドロップ2のエチュードになりうる“polka dots and moonbeams”の音作りをやりたい、と思っていたけれど、モトオカさんはやはりアドリブを含めたソロ・ピアノで、そのまま“I should care”を弾けるようになって欲しい、ということで、次のレッスンまでには左手はコンピング、或いは1,7(+10もできれば含めた)バラードで、右手はアドリブでメロディをとって曲をキチンと最後まで完成させるようになろう、ということになりました。
左手はコンプならキチンと1ウラなり4ウラなり、ウラに入れること、バラードでも1,3のアタマを弾くといってもあくまで1,2,3,4,2,2,3,4のパルス、もっと言えば3連が4つのパルスを感じた上で1,3のアタマに音を置くことが必要。

そして右手。
今まで友人たちに言われてたことをモトオカさんにも言われたことが2つ。
ハマツさんには、転んでる、と言われたのですが、よりモトオカさん的に言えばフレーズの終わり、もっと言えば着地をしっかりして、フレーズの終わりが次のフレーズの始まりに繋がるようなフレーズの終わらせ方をするように薦められた。昔モトオカさんに習ってた時にチャーリー・パーカーのフレーズをフレーズの区切りごとに切ってみたことがあるけれど、パーカーなんてそこらへん明確だもんね。トランポリンみたい。トランポリンで着地してまた飛ぶにはしっかり力を入れて着地して、また力を入れて飛ばないといけないもんね。
それまではフレーズが沸いてくるのを待って一気に弾き、またそれが終わるとフレーズが沸いてくるのを待って、という弾き方だったから、確かに着地を殆ど意識しないでいた。当然ハマツさんの言うとおり、転んでる、という印象を与えてしまうよね。実際フレーズの終わりは転んでたし。
マスタニさんには上昇フレーズをもっと弾け、と言われていたのですが、確かに私、無類の中音域好きですが、一応上にも行きます。ただ!モトオカさんに言われました。クレッシェンドが欲しい、と。上に言ってもクレッシェンドしないと、膨らみ感も出ないし、当然サウンドもリッチにならないのだ、と。これがマスタニさんをしてもっと上に攻めて、と感じさせる理由でしょう。確かに高音弦は音も小さいから、こっちで意識してクレッシェンドしないと、聴こえてこないですよね。

そしてリズムを支えきれない私を見て、モトオカさん、三連のスケール練習はしてますか?と。
ゴメンナサイ!やってないです(涙)。はい、やります。
でもホントにバックもなく一人でリズムを保つって、凄いこと。
モトオカさんとメトロノームを鳴らしながらバース交換で弾き合ったけれど、もの凄い緊張感で、思わず椅子から腰を浮かし、表情を崩し、口も何やらシュクシュク言いながら弾いてしまいましたYO!そんなプロ・ミュージシャンみたいなことやったの初めてかも。なんかみんなキースにしてもバドにしても上原ひろみさんにしても、プロって凄いなあ、とそんな面からも思ってたのですが、ホント、ちゃんと、私の場合、壊さないように、弾くだけで、それ位の必死さになってしまいました。
自分でリズムを持つ、ってこういうことなのですね。これを練習して会得しようなんて、ふんどし一丁でエベレストに登ろうとするようなもんです。私にとっては、ハイ。
でもモトオカさんにやれ、と言われたので、次のレッスンまでの1ヶ月はできるだけ頑張ります。
イン・テンポでアドリブ。
あ”--、来ちまった。
とりあえずカトマンズ行きのチケットを探しにHISまで行くためにつつじヶ丘駅まで歩きだすくらいのところから始めたいと思います。

まあ、あと昨日のレッスンは私のせいで、身分不相応な要求をしまくり、やや疲労感を醸し出すがめついレッスンになってしまったので、日頃の練習は頑張るとしても、3回目のレッスンはレッスンの時間そのものを楽しいものにしたい、と思います。
モトオカさんが、昨日、レッスンの合い間に、バドの“Time Waits(時は待っていてくれる)”のレコードをかけてくれたのも、「ケント、そんなに焦るなよ。」ってことだったのかも知れないです。師匠は私がその時どう感じてるかにいつも敏感だから。
ホント、なんでこんなに焦っちゃうんだろう。
ゴメンナサイ!!!
モトオカさん!!!
by kento_ogiwara | 2009-09-06 20:29 | BLOG;音楽について | Comments(0)